これからドラクエを始めたい、という人のための入門編。
どれからプレーすべき?
どのタイトルも、一本でストーリーは完結していますので、基本的にはどこから始めても大丈夫です。
……ではあるのですが、シリーズとしては I ~ III が「ロト編」、 IV ~ VI が「天空編」としてそれぞれ三部作になっています。特にロト編は是非、I、II、III と発表された順番にプレーしていただきたい。
ので、やはり I から順番にプレーが理想、といえます。
しかしながら、旧作はプラットフォームが古いゲーム機ですし、ソフトが既に入手困難なものもある。そこで、そもそもどのタイトルがどのハードで発売されているのか? を、リメイク移植版も含めまとめたのが下記の表です。
えーとよく見ると現状でIからVIIIまでがスマートフォンで配信され、また互換性のあるニンテンドーDS版を含めれば3DSで全作品がプレー可能なんですね……。なので旧作をプレーするなら、操作感が気にならなければスマホ版、さもなくば3DS版、で問題なくなってしまった。
◎:オリジナル
○:移植版
予定:発売予定
ちなみに私はこの表に挙げたものは全てプレーしてます(笑。 すみません。dゲーム版とスマホが対応していないもの以外、です。
以下、各タイトルについて、バージョンの違いなど比較しながら説明します。
たとえば、全体として後から出た移植版ほど難易度が下がっている、ということはいえます。などなど。
1. ドラゴンクエスト
元祖ドラクエ。パーティーは勇者一人だけ。
左から、FC版オリジナル、GB版、SFC版、Wii版です。
ご覧の通りSFC版・GB版はIとIIを一本に収録したもの。どれも完全に旧世代ハードなので内容から見ていきます。
まずオリジナルのFC版、最初のドラクエですが、なにしろROMカートリッジの全データを合わせても数十KB、今ならちょっとした画像1枚分程度(!)の情報量にゲーム全てを収録しているわけです。なので容量の制限もあって苦しい部分もある。キャラクタの絵が正面向きのものしかない、とか。みんな正面向きのまま上下左右に移動します。それから、当時画期的と言われたコマンド入力体系も、さすがにまだ洗練しきれていない部分があって今やるとUI的にもちょっとつらいかも。もちろん「ふっかつのじゅもん」によるパスワードコンティニュー。文字数は20文字。記念すべき最初のドラクエですから、機会があればやってみて下さい。
次にGB版。GBAではなくゲームボーイ(カラー)なので、FCよりスペック低い面もあって大変。特に画面の狭さ(解像度)はマップデザインなどにも影響ある部分なので厳しい。それからコントローラはFCと同じ構成なのにコマンド体系が独特(Bボタンでコマンド画面に切り替わる)といった違いも。入手もしづらいでしょうし、あえて今これをオススメする理由は特になし。パッケージ絵のタッチは好きです。
そしてSFC版。全体として忠実な移植で、グラフィックやUIなどプレイアビリティの面で改善すべきところはキッチリ対応されていて、現在でも普通に遊べる出来です。コンティニューはバッテリーバックアップ。
Wii版は、FC版およびSFC版を復刻した内容。
スマートフォン版は300円で配信。タッチパネル操作なのでUIにややクセがあります。
2. ドラゴンクエストII 悪霊の神々
シリーズ最高傑作の呼び声もある二作目。パーティーは3人。初めて仲間ができた時の感動たるや。
左から、FC版オリジナル、GB版、SFC版、Wii版、です。
GB版、SFC版とも上述したI・II同時収録版なのでほぼそれに準じます。
特筆すべきは難易度でしょうか。FC版のシビアなバランスはシリーズ中最高難度かも。久しぶりにやると厳しさに愕然とします。IIをやるなら一度は挑戦していただきたい。「ふっかつのじゅもん」が最大52文字(!)というのも難。まあ今なら画面の写真撮ったりキャプチャしたりできますが、手で書き写すしかなかった当時は間違えて地獄を見る子供が続出しました。
SFC版はバランス調整によりかなり進めやすくなっており、こちらが無難ではあります。
Wii版は、FC版およびSFC版を復刻した内容。
スマートフォン版は500円で配信。タッチパネル操作なのでUIにややクセがありますが、内容は無難にSFC版ベースです。
3. ドラゴンクエストIII そして伝説へ…
勇者以外のパーティーメンバーもエディットして交代させながら進められる、Wizardryライクなシステム。既に書いた通りロト伝説三部作の完結編にあたるため、I・IIのあとにプレーしてほしい。
IIIからはFC版もバッテリーバックアップ。これはこれで、「冒険の書(セーブデータ)が消える」という新たな恐怖を生んだのですが……。
SFC版は、基本的にシナリオは同じですが、新たな職業「盗賊」やキャラクタの成長に影響する「性格」、それにクリア後のアレ、などオリジナル版になかった追加要素あり。その後のリメイクの流れを作りました。
GB版はSFC版をベースにしていますがやはりハード的な制約によりやや厳しい。
これもWii版は、FC版およびSFC版を復刻した内容になるそうです。
現時点では可能であればSFC版、機会があればFC版をプレーされたし、といったところです。
なお
スマートフォン版も配信中。
4. ドラゴンクエストIV 導かれし者たち
勇者含め八人の主人公が集結し世界を救うまでの物語を全五章の構成で描く群像劇。
第一章、王宮戦士ライアンの一人旅から始まる構成は初心者向けともいえるので最初にプレーする一本としてもオススメできます。
オリジナルのFC版は、最終的に戦闘で直接操作できるのが勇者のみ、他のパーティーメンバーは「ガンガンいこうぜ」「いのちをだいじに」など八種類ある「作戦」に従ってAIで自動的に行動するシステム。AI戦闘は後のシリーズに受け継がれますが、完全にAIのみで操作できないのはオリジナルのIVだけです。
リメイクのPS版、DS版はなんといってもVIIに近い3D斜め見下ろし視点の画面に変わったのが大きいです。それから戦闘AIを切ってコマンドで指示する作戦「めいれいさせろ」がある点。好みの問題はあるでしょうがPS版、DS版ともオススメです。両者とも追加要素ありですが、クリア後のアレについては蛇足の感も……。
難易度はFC版、PS版、DS版の順に下がっていて、クリアまでのプレー時間もかなり短くなっています。
スマートフォン版は1,800円で配信中。内容はPS版がベースです。
5. ドラゴンクエストV 天空の花嫁
幼い主人公と父親の旅から、成人した主人公、そしてその子供たち(!)の活躍まで続く親子三代記。
敵モンスターを仲間にするシステムは『ドラゴンクエストモンスターズ』はもちろん、その他の類似作品をも先取りしています。
オリジナルのSFC版は、基本的にFC版で続いてきたシステム・デザインを踏襲していて、現在の目で見ると地味ではありますが洗練されてます。
PS2版は逆に、モンスターや人物の描画まで全て3Dで統一する初めての試み。画面の作りが全く異なります。
DS版はIVのDS版に近い、VIIの画面をベースにした斜め見下ろしビュー。
オススメはDS版ということになりますが、ちょっと難易度を下げすぎな感じでプレー時間も短いので、物足りない場合はSFC版をどうぞ。
6. ドラゴンクエストVI 幻の大地
「まぼろしの大地」と呼ばれるもう一つの世界との繋がりや、人間世界の勢力を結集して魔王に対抗する戦いの模様、など、一段上のスケールで展開する物語が堪らない、私一推しの一本。
システム面では職業の熟練度、「上級職」の導入などちょっと複雑化してFFライク(笑)になっているのが賛否両論といったところでしょうか。
SFC末期のタイミングで発売されたせいか、シリーズ中ではもう一つ影が薄い感がありますが、DS版リメイクも発売した今こそ是非多くの人にプレーしてほしいです。
7. ドラゴンクエストVII エデンの戦士たち
PSでの第一弾で、なんといっても町やダンジョンが3D斜め見下ろし視点になった点が特徴。
「石版システム」もアイディアですが、ちょっとシナリオもバランスもまとめ切れていなくて途中で詰まりやすい感じはあります。個人的にはストーリーも結末にちょっと不満。
あえて最初にやるドラクエとしてはちょっと敷居が高いかもしれません。
などと辛い評価を書いてしまったように読めますが、ドラクエ的な面白さは満載で最初から最後まで飽きずに楽しめるのは間違いないです。CD-ROM二枚組でボリュームも十分、クリアまでのプレー時間は100時間前後とシリーズ最長であり、そこは人それぞれでしょうけど私は長いのが好きだったりします。
3DS版は謎解きで行き詰まらないためのフォローや、携帯機ならではのマップ移動簡略化など、大幅な調整が入っています。
8. ドラゴンクエストVIII 空と海と大地と呪われし姫君
FFライクな3Dで、頭身の高いキャラが演技しまくる、最もドラクエらしくないドラクエ。
とはいえ町もフィールドもダンジョンも戦闘もほぼシームレスに近い形で完全に3D化した世界はやはり圧巻で、一つの到達点であるこのシステムを、一度は実現してみた、という意義はあったと思います。
その揺り戻し(?)のようなバランスのIXが成立するのに必要な通過点だった、というような位置づけかと。
中身はごく真っ当なドラクエですが、あえて最初にやることはないかもしれません(笑。
スマートフォン版は2,800円で配信中。ソースコード再利用でかなりオリジナル版に近い出来のようです。プラス、戦闘や移動の自動化など携帯向け調整有り。
9. ドラゴンクエストIX 星空の守り人
NDS版。携帯機で初のオリジナルのナンバリングタイトルということで、発表当初はオンラインRPGのようなものではないかと思われていましたが、蓋を開けてみるとごくオーソドックスなドラクエ、プラスアルファで通信機能という感じです。
ワイヤレス通信によるマルチプレーもまさにドラクエ史上初ですが実際やってみると楽しい。
パーティーの仲間も全員エディットできるのは『III』に準じたシステム。主人公も含め体型・髪型・顔からエディットし、また装備品が全て外見に反映されるので着せ替え要素も充実。
主人公が「地上に降りた天使」というシナリオもちょっと新しい趣向で神話の続きのようなストーリーです。むしろ本編は軽めで、今までの裏ダンジョンなど以上にクリア後の遊びを重視している点も今までにない。長く遊べるドラクエといったところです。
ただWi-Fi通信による追加配信など、外部のインフラに依存してる部分は長期的に見てどうなのかなと、当サイト的には懸念します。何年もたってから過去作をプレーすることはあるわけだし。スクウェアエニックスのことだから長期にわたりサポートが得られるとは思いますが。
10. ドラゴンクエストX 目覚めし五つの種族
Wii(バージョン1リリース時点)でインターネット接続を利用したオンラインRPG。
ですが内容は見た目VIII、システムはIXの正当進化で、ドラクエが好きな人なら普通に楽しめるはず。NPCを仲間にして進めるのも楽なので、「一人でも100%楽しめる」は嘘ではないですね。
WiiU版、Windows版ともクライアント側のグラフィックが向上する以外は同じサーバを利用する同じゲームであり、みな一緒に遊べます。
さらにNTTドコモの
dゲームでタブレット向けクラウド版が配信中。
3DS版、PS4版(および発売予定のswitch版)もサーバは一緒ですが、プラットフォームの関係上、利用料金が別体系になるので注意。
オンラインゲームなので定期的にバージョンアップリリースが行われ、メジャーバージョンが上がる際には別パッケージとして追加ディスクの購入が必要。購入せずとも旧バージョンの範囲でプレーは可能ですが。
個人的には、サービス開始からバージョン3完結までおよそ5年というスパンで展開するメインシナリオがシリーズ最高傑作クラスの出来だと思うのでドラクエ好きなら迷わずやるべし。
11. ドラゴンクエストXI 過ぎ去りし時を求めて
ナンバリング最新作は従来通りのオフラインRPGです。
プラットフォームはPS4と3DSという異例の組み合わせ。Unreal Engine使用のPS4版はVIII~Xの流れをさらに進化させた超リアルなグラフィック、対して3DS版は昔ながらの2DモードとIXの発展系というべき3Dモードを選択切替可能という趣向です。個人的にはドラクエのキャラクターや演出にちょうどいいバランスなのは3DS版のグラフィックじゃないかと思ってます。
ドラクエシリーズ30周年の総決算に相応しい、随所に過去作のモチーフを引用したシナリオも正統派大作として素晴らしい。